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FX 豪ドルの下値メドは? 2008/09/05 [政治経済]

 主に豪ドル(とNZドル)の動きについてコメントをしているのですが、他の通貨の動きを見ること無しにはなかなか語れません。今回(9/5早朝)の豪ドルの下落はユーロの急落が影響しているようです。

 かといってドルが上昇しているかといえば円に対してはむしろ下落していて、消去法的に円が買われているようです。

 ユーロ圏の景気減速懸念がインフレリスクよりも高いようなニュアンスの発言(ECB、トリシェ総裁)は世界的な景気減速懸念をますます強め、それが原油需要の減少を連想させ、豪ドルの下落にも繋がったと考えられます。でもこれは、会見の原文(下に引用)全体ではなく、先にヘッドライン(見出し)ニュースで「(ユーロ圏の)景気の不透明感は「特に高い」」と流れたのが、原因のように思えます。ロイターの記事を読む限り、インフレリスクを強く意識しているように思えます(「インフレへのリスクは上向きだとする一方、成長リスクは下向きと指摘した」から)。

 実際のところはECBの担保ルールの強化によるものかもしれません。

 米ドル、ユーロ、円以外の、通貨(「マイナー通貨」と言ったら怒られるかも)はロング・ポジションをずっと続けていられる間は、たまに利益を確定しながら、あまり考えずに保有し続けるが、利下げ局面に入ったらショートはせずに、その通貨の取引は止めてしまおう、と考えている人が多いのかもしれません(特に個人投資家、高金利なのでスワップ金利目当て)。このことは下がる時は一気に急激に下がることと整合性があります。

 FX業者が公表している顧客のポジションをみても、高金利通貨はロング・ポジションの割合が非常に高いようです。その高金利通貨が利下げ局面に入ったら、取引できる通貨全体に占める高金利通貨への取引の割合が減少するだけで、ロング・ショートの割合はあまり変化しないのかもしれません。

 豪ドルもついに昨年来安値をあっさり更新してしまったので、次のメドがどこか判断に苦しみます。今後数回の利下げが予想されているようですし、世界的な景気の状況によっては、原油需要減少の影響が長引くかもしれません。

 移動平均線だけの単純なテクニカル分析では85円前半辺りが下値のメドと考えられますが、やはり去年までと今年では利上げ局面と利下げ局面という大きな違いがあるので、あまり説得力を持ちません。

 相対的に高金利であることに注目して取引を続けるならば、面倒ですが、ショート・ポジションも取り入れながら、比較的短期の損失を出さない取引をするしかないですね。プロパーの方は当然そうしているでしょうけど。

 ところで、株も随分下がりました。年初来安値とか、昨年来安値というのは、1年に何度も訪れるものではありません。個別銘柄でも指数でも先物でも、安値を更新した時が、数少ない「株を買う時」です。これから数週間が、株を買ってほぼ確実に儲けられる滅多にないチャンスであることはおそらく間違いないでしょうね。もちろん、年初来安値・昨年来安値というのは事後的(しばらく後)に判明することであって、買った時が年初来安値・昨年来安値であっても翌日それを更新するかもしれないということには注意が必要です。(当たり前ですが。)

 [フランクフルト 4日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を4.25%に据え置いた。据え置きは市場の予想通りだった。

 ECBは上限金利(限界貸出金利)と下限金利(中銀預金金利)も、それぞれ5.25%、3.25%に据え置いた。

 ロイターがエコノミスト83人を対象に実施した調査では、全員が金利据え置きを予想していた。

 

 トリシェECB総裁は理事会後の会見で、2010年までユーロ圏のインフレ率は目標水準に戻らないとの見方を示した。

 ECBは最新のスタッフ予想を発表し、08年と09年のインフレ予想を上方修正する一方、成長率予想を下方修正した。しかし総裁は、金融政策と経 済成長をめぐるECBの見通しは前月から大きく変わっていないとの認識を示し「2010年を通じて物価安定を実現する。これ以上の言及は控える」と述べ た。

 金利据え置きは全会一致だったことを明らかにし、政策金利の見通しについては、前回同様にバイアスはないと強調。「われわれはバイアスを持っていない。同時にわれわれは決して予断を持たない。物価安定維持に必要なあらゆる措置を常に実施する」と語った。

 インフレへのリスクは上向きだとする一方、成長リスクは下向きと指摘した。ただ、ユーロ圏域内におけるインフレの広範な二次的影響や、リセッション(景気後退)のリスクはスタッフ予想には見られないとの認識を示した。

 スタッフ予想では、08年の欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(HICP)を3.4─3.6%とし、中間値を前回6月時点の3.4%から3.5%に上方修正した。09年についても予想レンジを2.3─2.9%とし、中間値を2.4%から2.6%へ引き上げた。

 ユーロ圏15カ国の域内総生産(GDP)の見通しは、08年が1.1─1.7%、中間値は1.4%。09年は0.6─1.8%、中間値は1.2%。6月時点では、08年の予想中間値は約1.8%、09年は1.5%だった。

 BNPパリバの金利戦略部門責任者、シリル・ブージット氏は「トリシェ総裁の会見は、きょうの金利据え置きに沿った内容だ。ややタカ派色が後退した」との見方を示した。

 総裁の景気見通しをめぐる発言でユーロが対ドルで下落する一方、ドイツ連邦10年債先物9月限は、景気の不透明感は「特に高い」と総裁が述べたことを受けて上昇した。

 


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